食と文化

 私はいつもこう思うんです。野生の動物が歯を失って食べられなくなったら、即、死を意味します。ところが、人間は歯を失っても、やわらかく調理をすることで食べられます。
 さらに歯科医学が発達すると、人工臓器としての義歯ができます。
 したがって,人間は野生の動物と違って、文化とか文明と食が密接に結びついています。
 ということは、逆に食が乱れるということは、文化とか文明の乱れが食に出ていると考えていいわけです。

                           日本歯科医師会会長 大久保 満夫
 


口腔ケア

 喉周りのがんの手術で、口腔ケアをしっかりやるのとやらないのを比べると、やったほうが手術の安全性が極めて高まることが明らかになりました。これはエビデンスがあります。60%以上の合併症率が20%以下に減ります。そこでまず非常に差がつきます。

                       静岡県立静岡がんセンター総長 山口 健
 

ファイティング・スピリット

 がんとの闘病生活では、病院という心を抑圧された環境の中で「食べる」ことが日常生活を取り戻す時間となり、病と闘うファイティングスピリットになります。
 栄養的にも、口から食べるほうが、点滴での栄養補給よりすぐれています。実際に患者さんを見ていると、普通に食べている方のほうがはるかに元気です。
 経静脈栄養(点滴)がどれだけ改良してきても、何かが違います。腸管が動く、神経が興奮する、脳が働くのだと思います。
 そういうことが、病を克服するときのファイティング・スピリットに役立ちます。

                        静岡県立静岡がんセンター総長 山口 健 


食べるということ


  生きることは食べ続けることである。

                                                                                                 鷲田 清一

鷲田 清一(わしだ きよかず、1949年9月2日 - )は、哲学者。専攻は臨床哲学・倫理学。国立大学法人大阪大学総長。京都府京都市出身。
 

歯科医療の一般的なイメージと、私の考える歯科医療

 従来の歯科医療の一般的なイメージは、痛くなったら、恐怖心とともに歯科医院の門をくぐり、あの、世にも恐ろしげな「キィーン」という音のする機械で、1本の歯を削り、その後に、かぶせて治療は終了。それが歯科医療の役割と思われがちでした。
 私たち歯科医師の側も、1本の歯に対する、むし歯の治療、すなわち、むし歯の除去、あるいは、その後の埋めたり、かぶせたりする処置に関する技術的な研鑽、習得にばかり目を向ける傾向がありました。
 ところが、医療には、救急救命医療も含めて命を救う医療がある一方で、その人の生活を支え、命を支える医療があります。
 命を救う医療の方が、格が上で、命を支える医療は、低く見られがちです。
 しかしながら、最近では、生活を支え、命を支える医療の大切さが見直されいます。
 高齢者医療を考えたときに、もはや医療は、「病気を治す、命を助ける」では、不十分であり、「安心した地域生活が送れるようにするための医療」であるべきです。
 歯科医療は、「どのような障害があってもあきらめないで、口から食べることを大切にすることで、人としての尊厳を守る」医療なのだと、私は考えています。 


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